落合博満の新刊を読んだ

中日ドラゴンズの監督、落合博満の新刊が出たので買って読んでみた。前著も読んだのだけれどもスポーツの監督の組織論は参考になることが多いので読むことが多い。

決断=実行

決断=実行

いくつか文中より抜粋。

トップさえしっかりしていれば、ピラミッド全体はまずまず安定する。そして、一つひとつの小さなピラミッドも、その中のトップがしっかりしていれば、ある程度成果は上げられるはずだ。

フラットな組織の議論もあるけれども、いまいま何らかのヒエラルキーが存在する組織のほうが多いことを考えると上の小さいピラミッドの考え方は自然だなと思った。

何をやっても思い通りに運ばない時、あるいは満足できる成果を上げつつも、もうワンランク上の結果を残したいと考えている時こそ、基本の基本は何なのかをはっきりと意識すべきだ。また、基本の基本から取り組んでみるのが、自分を、自分のチームを進化させる第一歩ではないかと考えている。

基本に戻ると声を上げていながらそれは本当に基本か?と一度考えるというところをバントを想定した守備練習を例に書かれていてなるほど感と例によって耳が痛い。

アドバイスを受けて試せば何でも身につくのなら、世の中は成功者ばかりになってしまう。成功する人間とは、素質に恵まれていたり、センスに溢れたりしているわけではない。何度失敗しても、「俺には野球しかないんだ」とあれこれ考え続け、時間をかけて成長してきた執念深い人間だ。

最終的には考え続けることと、まずはアドバイスを素直に受け入れ、それを試し、うまくいかなかったとしてもその過程を改めて考えることの重要性に関してはなるほど感あった。

最後に書いてあった一文、三冠王を取ったプロ野球選手であり8年間球団の監督を続けた人の言葉はやはり重い。

どんなに偉くなっても人生は一度きり。一夜明ければ、今日は過去になってしまう。ならば、後悔のないように生きていくのが幸せなのではないだろうか。